紙を積む

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よつば個別指導塾ときわ台校の坂本です。

とある小学生の女の子が自習に来ていて、そこで学校の課題となっている漢字をひたすら書いていました。書くといっても、学校配布のChromebookのタブレット上で書いてデータ送信するという形です。

「どれくらい課題があるの？」と聞くと、

「来週の金曜日までに200個…」

と苦笑いしながらその子は答えてくれました。
一つの漢字につき、三回ずつ書かねばならないので、トータルでは600回もChromebookをなぞり続けなければならないということです。
（しかもご丁寧に書き順判定機能付きで、間違えると指摘されるという嬉しいおまけも着いていました。）

その時、私は「まぁやれるだけやろうか」なんてふんわりとした返事をして授業に戻りました。

それから、ほぼ毎日その子はChromebookを持って塾に来ました。
自習にくる度「今日も漢字やる」と言って、黙々と机に向かって書いていきました。

一日目
「今どれくらい書いたの？」
「40個…」

二日目
「今日でどれくらい書いたの？」
「70個…」

三日目
「もうどれくらい書いたの？」
「100個いった！」

四日目
「今週でどれくらい書いたの？」
「120個！」

そんなこんなでその子は毎回漢字をこなしていきました。
最初、「200個（実際600回以上）の書き取りなんて途方もない」と思い、「やれるだけやろうよ」なんて諦めた返事をしていた自分が少し情けなくなりました。

「やれるだけ」なんて最初から諦めた気持ちではなく、実直に毎日コツコツと回数をこなしていくその姿勢が大事だよな、と改めて思わされました。

一枚の紙は薄っぺらいものですが、それを何枚も重ねると分厚くなります。
それを知っていても、紙の薄さと途方もない労力の前に行動を起こせない。
そうならないように日々注意していたはずなのですが、それをまた一つ生徒から思い出させてもらいました。

ふと、気づけば最初は一枚だった入塾申込書が、少しずつ厚くなってきました。
もちろん生徒数を増やすことが目的ではないのですが、厚くなってきた紙束を見て「自分もコツコツやらないとな」と思い直した土曜日でした。

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